基本の母音表 ・ 主な母音の基本記号と重ね記号 ・ 半母音または接近音
基本的な母音の区別には、口内で調音する空間の開き加減、
舌と唇の位置や形が主な要素としてかかわります。
基本以外の舌や唇の形、咽頭より奥で調音する音素は、
それらの記号を関連の基本母音記号に重ねて表現します。
調音の空間が狭いので、単音または他の子音のあとでは母音的に、
他の母音の前では子音的に働く音素は半母音と呼ばれます。
表の見方:
# 横軸
調音にかかわる舌の部分について、前・中央・奥の順が左から右に並んでいます。
# 縦軸
Close, mid-close, mid-open, open とあるのは、
調音に用いる口蓋と舌の間の空間の幅のひろさの仕分けです。
上から、狭い・やや狭い・やや広い・広いの順です。
中央のschwaと呼ばれる「あいまい母音」(eを180度回転させた記号)のかわりに、
アメリカ人はよく反り舌の半母音
[R]を使うので、地球語バージョンにはその音も加えました。
# 対記号
表では、同じ位置にたいてい左右2つの記号が並んでいます。
左側は唇に特別な力を加えない、自然なままの発音、
右側は、各左の母音を唇に特別な力を働かせて発音する音素を示しています。
地球語では、基本母音が口の開きの印象を象り、
が唇を特に丸める分音符号として
重ね記号で表されるので、発音の仕方がわかりやすいと思います。
(参考: 発音器官については、子音のページの図を参照してください)
[ i ], [ e ], [ a ], [ w ] は、自然な唇の基本母音です;
[ o ], [ u ], [ Y ] は、唇に力を加えた母音です。([ ] 内はIPA )*地球語の母音表の中の記号をクリックすると、相当するロボットの音声を
聞くことのできるページがあります。カリフォルニアのジョー・パイクさんの作成です。
基本記号について
- [ ] 内はIPAです。
- 各基本記号には点線の枠を付けています。
基本記号には、それが他の記号と重なったときの働きについても説明があります。- ( ) または { } 内の数字・アルファベットは地球語の記号番号です。字母表を参照してください。
重ね記号について
- 母音記号が2つ重なるとき、普通は2つの中間音を示します。
- 34 [ o ] は、重ね記号の中では唇を丸める指示のみで、
母音[ o ]の奥舌を持ち上げる特徴は、重ねた場合には無関係となります。- 調音に関わる発音器官の構えを変化させる記号を基本母音に重ねて、
多くの変化母音を表します。
たとえば、
( 調音空間をより大きく開く), ( 開きをやや少なくする),
( 舌を基本よりやや奥へ), ( 舌をやや外へ),
(鼻音化する)などを重ねた母音ができます。- 母音の基本記号と接近音記号を重ねると、それらの中間音を表します。
- 母音を子音と重ねて、有声であることや唇の形・舌の位置の特徴を子音に加える場合もあります。
- ハ音は、英語またはIPAでは[ha]と綴られますが、地球語ではア音と、
声門子音を直接重ねた {68,67} で表します。
アの口を[h]発声と同時に準備しなければ、ハ音は出せないでしょ?長音と声調記号について
- 母音記号単独の場合には短い一音節と見なします。
- 連続2母音は二重母音を表し、合わせて一音節として発音します。
- 母音が連続していても、それぞれ一音節として発音する場合には、
前の母音に独立した音節であると示す記号 (32, 表意文字の中では単位を表す) を重ねます。
たとえば
:英語の high の中の[ ai ] のように二重母音のアィ、
:日本語の’愛’[ a-i ] のように2音節のアイです。(がアに重なっています)- 長音、声調(音程の上下)、特別なふるえやアクセントなどを表すには、
音韻変化のための相当する記号を重ねるか、母音の後に付属させます。
これらの記号については 分音符号のページをご覧ください。
[
i ](04)
Cardinal vowel 1
水平線で、狭い口内の開きを象徴し、自然な唇、舌の前を硬口蓋に接近させて調音するイ音。
子音と重ねた場合には、その子音を硬口蓋化します。
* 両唇を力ませる母音は子音としても働きます。
これらの音韻は、2つの発音器官の間で狭められた隙間を肺からの息が通過して調音されます。
これらは単独では母音を表しますが、あとに他の母音が続けば子音の役をします。重ねている他の記号については、子音や分音符号 のページをご覧ください。
{52,63} [ j ]:硬口蓋接近音。働き方は [ i ](04)に同じです。
重ね記号の中では相手の音を硬口蓋化し、子音と重ねると破裂や摩擦をゆるめて接近音化します。
{31,52,63}:唇を尖らせて発する硬口蓋接近音
{31,64(強)} [ W ]:摩擦する寸前までさらに両唇をとがらせて出す音声、舌位置も影響で前進
* 摩擦や破裂の子音に(ゆるめ)が重なるとき、摩擦や破裂の機能が消えて
その場所で接近音化します。
63または64に同時に母音も重なる場合には、子音との関係が優先します。