「地球語」のしくみ概要 はじめて地球語にふれる方へ(更新:Feb. 2008)


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しくみの特徴 視覚記号 表音表記 表意文字

文法 情報整理 さまざまな伝達手段 利用状況 問題点と展望


はじめに 
 

地球語は他の言語とたいへん違っています。

 一人一人の幸せのための言語です。

宇宙は、最初は無から生じた一でした。

それが動きまわり、新しい生成をくりひろげつづけています。

「常に変動し内容を増やしながら

すべて最初の一という存在の源とつながっている」

というのが宇宙に存在するものの宿命ならば

宇宙はきっと自分を分けて分けてもっと知りたいのでしょう。

そこに命を与えられたヒトもまたその縮図なのでしょう。

だからわたしたちは、常に知識と発見の欲と喜びを持ちつつ、

一方他とつながったときにうれしく、

自分が溶け、すべてが一体に感じられるときに幸せを感じるのでしょう。

地球語は、そんな直観が形になったものです。

分解と統合を同時にイメージしながら

地球自然の一部として自分を観、

他とつながるのを支えようと働く手段です。

原始からまだ見ぬ未来の事象まで

すべてを含む内容がしくみの中に顕れ、隠れています。


 しくみの特徴

言語のしくみ概要

以下は、大修館『言語』2006年11月号・人工言語ミニ事典に掲載された記事に
少し加筆した地球語の具体的なしくみの概要です。

利用目的から一部お試しをお望みでしたら「地球語はあなたから」も参考にしてください。


視覚記号の基から多手段へ

bases 字母70、数字・文法と情報整理用の記号:
総計90が地球語伝達のすべての基。
全記号は、それぞれに番号・アスキー・手話・
一音節の名前(音声記号)がつき、
補助的な1記号の例外を除けば、
みな同じ正方形に収まる単純な幾何学形です。@
    
音声記号で話すことも可能ですが、何語で読んでも
通じる1+2=3のように、各自の母語で読みながら
手話や文字で同時通訳する方法を優先します。

・発音の仕方を見せる表音表記

地球語は表音・表意に記号を兼用しますが、
表音規則の不変を保つため同時に両方を示す
ことはありません。表意文中に表音括弧Aがあれば、
その中身は表音記号で、意味は表しません。

表音記号は、発音を代表する音声器官を
単純化した形、またはそれらに変化を与える
象形記号A-2で、字母のみ、または音声要素
を重ねた一記号A-3で音素を表し、音素を
時間順に並べて発音の仕方を示します。

基礎記号50だけで、国際音声記号に劣らぬ
音声表現が可能です。


* 地球語の表音のしくみは、
固有名詞のオリジナル発音を国際社会で
共有可能にし、また、外国語の発音修得や
音声パフォーマンスの創造に役立ちます。

A表音括弧

: (人)の名前で[pi:t]
(↓を参照) (前のは、表意類別括弧)

A-2表音基礎記号の例
両唇の形: [ p ]
平舌の象形: [ t ]
息が縦に抜ける: 鼻音化
: 長音化
調音の開きが薄い: [ i ]

A-3上の複合による音素記号の例
 { }: 両唇鼻音[m]
 { }: [i:]
 { }: 前舌鼻音[n]
 { }: 両唇前舌破裂音

 

・目から意味を伝える表意文字

各字母は、基礎イメージを想起しやすい単純な形です。B
文が左から右へ進行するので、 左向き記号は元や過去に
右向きは進行や未来に関連する、というように、対称的な
形が対称的な意味を表します。
だから字母70は、すぐ憶えられるでしょう。

* 単純な幾何学形でも、象るシンボルです。たとえば なら
下から上に膨らむ「心」を、なら両目で2つを比較し認識する
感覚を、は、大地から萌え出る植物を、体験に照らして
想い描きながら身体で受け止めてください。字典へ

 

B表意字母のイメージの例

: 円/球/抽象概念、
: 心、
: 認識・識別
: 植物
: 上
: エネルギーの解放/ひろがり

・造字

基本的に次の2方法、またはそれらの
合成で行います。

〇字母の形を重ねて意味を象る。C-1
〇意味要素に該当する字母を重ねる。C-2。

 〇複雑な概念は、漢字の熟語のように前が後ろを
  修飾する順序に複数連ねて表現する。

〇基礎文字はヒト共通の認識要素と自然を基に定め、
文化用語は、基礎語を組んで表現する。C-3

   * 文字自体が意味を解説するので、
   地球語を使用するとき自分の文化を
   自然要素から問い直すことになります。

 〇1概念を表すために重ね合わせる記号の数に
  特に制限はないが、多く重ねると内容が
  見分けにくい。このため補助記号gf(ハイフン)を
  間にはさみながら象形や抽象の基礎文字を
  横つなぎして複雑な1概念を表現する。
                        C−4

C-1上を重ねた象形文字と応用
{ }: 太陽(象形)、{ }: 日の出
: 顔((象形)、 :額、: 笑
: 花((象形)、 : 開花

C-2意味を重ねた抽象文字
:北、 : 言語、: 喜/幸
: 意識、 : 普及、: プライド

C-3「神」の表現は文化に応じて
絶対的 存在}
自然、元、 存在}
全と無が一体の 存在}

C-4 一概念の分解表示
足首:首・関節 足)
コメディアン: または
:人・職業人、 :笑い、顔、
  エネルギーが開きひろがる)


・文法は簡潔、語順は自由

文字自体で品詞の区別はしません。
各自の母語で扱いやすいように語順は自由です。

文章の構造は、文法記号Dで識別します。

連結する文字または文節は、原則として左側が
右を修飾します。

逆向きに修飾する場合には修飾語の前に
前置符
D-2をおき、
並列つなぎには間に接続符D-3をおき、
述語や動詞は動詞符を用いて示します。

前置符も接続符も各1記号のみですが、
必要な意味の字母をこれに重ねて
多様に働きわけます。


動詞符D-4は、
後続の文字が表す状態に主語がなるのか、
目的語にさせるのかによって2種あります。
そこで「機能」を表す字母と2つの動詞符の
組み換えによって「働く」「使う」の意味を
表し分けるなど、記憶する文字数は少なく
ても大きな表現力をもてます。

*このしくみはまた、人間や自己中心的な
見方だけでなく自然や物ごとを主体とする
観方も促します。
たとえば日本語の「ご飯ができた」の表現の
ように。この表現には、自然のご加護があって
できたという思いが加わりますが、英語には
こんな表現はありません。ものは「できる」の
ではなく、誰かが作るとしか考えません。

時制・受身・否定・意志などの動詞区別も、
動詞符に各意味の字母を重ねて表します。

D文法記号の例
:文章の終止符 (単位のイメージの字母)
:区切り、文頭記号の構成、複数でポーズ
の後続語は文の途中の主語。同様に、
は動詞の対象、
は動詞が表す状態の直接の主体となる
目的語を指示

D-2前置符 :〜の
: 私()の心の花
: 花の上の (上),
: 日の出のときに、(時)
: ( 場所)で/の、 :〜なしで( 否定)
:〜に、〜への、ために ( 進行方向)

D-3接続符 : (前後の並列つなぎ)そして
: 太陽と花、    : 花か葉
: または、 : しかし( 逆)

D-4 2つの動詞符
: それ()を見る( 目)
: あなた()に見せる
: 花咲くように見える
( 受身動詞、 状態)
 
:私()はそれを目指してずっと働いていた。
{ }過去動詞の長い継続、
機能、 働く)
(意思動詞、主語略)
: それを庭()で使うつもりです。( 使う

・呼びかけ・質問・依頼などには、文頭符号でまず用件内容を明かします(D-5)。

D-5文頭符号:2点で挟んだ文字が用件を示します。

(感覚)をこちらに向けての合図
(?)お尋ねしますの合図

つづく文章の尋ねたい部分にもを重ねます。

: あなたはそれを見ましたか?(過去動詞が疑問)
: 誰{}がそれを見たのですか?
: 相手に何かを (求め)る合図
: それを見てください。
: それを見せろ!(力、 命令)


・表意用括弧
は、該当字母を挿入する方法で会話体ほか文中文や文字を分別し、
名前の類別表示やロゴの設定も行うなど、括弧類は、情報整理に多様に役立ちます。E

E表意括弧 

: 君の見なかったものを私は見た。(文中文を括っている)( 物)

: 「もしもし」「あら!こんにちは」

:会話体の括弧( 音:基礎文字), (驚き)の は、波立つ意味。
オールマイティーな挨拶語←{ 平和{永く続く, 均衡}, グローバル世界}

情報整理やロゴ作成も表意括弧で


名前の類別括弧;次は (本)の名と示します。
:『言語』( 内は表意1字ロゴ)
: 表音括弧内は音声で[gengo]

他に、意味抜き括弧 もあります。
これで包んだ文字は元の意味が消え、個人的に自由な設定で利用できます。


・さまざまな伝達手段

sign字母の形を手で象る手話や宙に書く動きの手話Fは、
字母の学習を身体感覚で助け、記憶を保つ働きをします。
手話記号もなるべく自然な仕草に近づけています。

このほか次のような伝達手段があります:

・全身で字母を象る⇒ より遠くまで見え、意味を示すダンスなどにも利用、

・ 基礎記号の盛り上げプリント⇒ 触覚で形を伝え、盲人も健常者にわかる記号を使用、

・ 記号名の音声で伝達⇒ 将来コンピュータの音声入力や盲人の利用に

これらの重ね文字には、つなぎ記号gf (ハイフン)を挟みながら一概念としてのつながりを示します。

・ 視聴覚双方が機能しない場合は、手のひらに書くなどの触覚で伝えます。

・ 全身動けなければ眼球の動きで字母を伝えます。

このように地球語は、どんな状況下でも意思の疎通を助けます。

(詳細は、しくみのページ 字典にどうぞ)



これまでの利用状況

20余か国、以下のような多方面からの資料請求や採用がわずかずつありました。

・外国語の指導や幼児のことば学習の補助(豪、US)、
・他の表音文字(スエーデン)や人工言語創作(ロシア)の参考、
・ 会社のロゴ作成(US)、音楽CDカバーとHPのデザイン(ベルギー)、Tシャツデザイン(英)
・グラフィック学習の素材(US)、
・新思考手段、インスピレーション刺激手段(日・独)
・異文化の共働者間の仕事用語シンボル(インド)、
・シンボルを心理学的な治療用に(US)、
・地球外知性との交信用(独)、
・地球語シンボルによる俳画(日本)
・カラー・シンボルで俳句(中国在住カナダ人)
・地球語身体記号を利用する瞑想体操 への参加(西海岸WA,CA)

留学生が多いオーストラリアのある小学校では2006年に地球語科目の授業が実験され、
子どもに人気だったそうです。先生の個人的な都合で2007年は中断。
地球語サイトで1999以来連載中の短詩訳コーナー には、世界各地の詩人から声援が届いています。
利用例はリンクページも参照してください。


●問題点と展望

地球語HPでは、協力者たちのお蔭で重ねてタイプできる地球語フォントや資料を
無料提供していますが、個人では推進に限界があります。
より大きな技術のある開かれた場に世界中から参加者を得て、
しくみの精錬や字典・辞書の建設を進められたらと希望します。
今のところ英語か日本語ができない人は知ることができないディレンマがあります。
言語的・肉体的マイノリティーにもヴィジュアルに理解できて参加しやすい、
サークルのありかたを探りたいです。

しくみの問題点としては、上下を逆にした場合、意味も逆転してしまう怖れがあること。
このしくみは記憶義務の量を減らしていますが、向きを明確にして使う必要があります。

地球語絵文字やゲームで世界の子どもたちが遊ぶようになれば、彼らに橋がかかり、
やがて世界の伝達を妨げる壁に穴がひろがり得ると信じます。
地球語アイコンやしくみを多用するゲームを開発しませんか?

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