・母音調音の開きにかかわる記号 ・舌にかかわる記号 ・声・気流の出し方・使い方・リズムにかかわる記号
・声調とふるえ(ゆらし)の記号 ・複雑な音韻のための補助記号
母音や子音の特徴を組み合わせるには、基本音素の記号を重ねて表現できます。
また、地球語で音韻を変化させる機能の記号は、意味に幅があり、組む相手によって
働きかたを変えもするので、IPAの記号数の4分の1で間に合います。
原則的には、同時に働かせる要素は重ねて1記号として表現しますが、
音節の長さ、強さ、高低などの調子を示す記号は、
その音節の主音の直後に配置します。理由は、次です。
各記号ごとに、形とイメージの関係、表音記号としての機能①②、の順序で記しています。
複数の機能を持つ場合もあるので、分類項目は便宜上のものです。
これらの記号の多くは、表意文字として使われる場合の意味と同じイメージで機能するので、
複雑に見えても実はシンプルで憶えやすい仕組みです。
(08): 小さな角度で小または少ないこ
とを象徴;
①相手の記号が示すよりも舌をせり上げて調音の開きを狭く
②#17または#18と重ねて声調の高低の度を小さく、#03と重ねて長音をわずかな伸ばしに変化
(19): 文字列の進行方向と逆を差す形で「奥方向への位置変化」を指示
;
①相手の記号の調音位置よりも舌を奥で働かせる表示
②声調記号#17(高)または#18(低)と組んで、通常の高さからそこに移ることを指示
(合成した記号全体の形が高さの変化を象形)
(60): 左右アンバランスな厚みまたは開きを象る形;
①合成する記号の舌、または唇の調音の位置を左右どちらか一方だけにして発音
* IPAにはこの記号はありませんが、蛙の擬音などに片側面音がうまく使われる例などがあり、声帯模写に役立ちそうです。
(12); のこぎりのように引っ掛かる形で摩擦のイメージ;
①重ねる相手の記号を摩擦音に変化。#44もともに重ねるときには破擦音を示すが、それ以外のこれを含む重ね記号はすべて摩擦音。母音との「重ね記号」では喉頭蓋で摩擦を加えてかすれ声にする。ハ行の摩擦音声と区別。
(32): 表意文字としては
単位を表し、また終止符として使われる記号で、表音でも独立・区切りのイメージに関連;
①重ねた相手の記号が独立した1音節であることを表示。連続母音は普通二重・三重母音として発音されるが、これが前の母音につけられていると、次とは分割して音節が分かれる。
②伝統言語の音声を表記するとき、単独で文章の終止符として機能。
(03): 線状に長く伸びている形で長く伸びるイメージ;
①、②単純な母音・半母音・有気音・摩擦音に重ねて、それらを長音化。それらが複雑な場合には#27
(これに重ねた記号を直前の記号と同時に働かせるための記号)を伴うことなく音素の直後に配置して直前の音素を長音化(声調記号と同様の扱い)
#08(少)#07(多)をこれに重ねると、(長音というには短いが、やや長めの音声)、(ふつうの長音よりも長い音声)の表現を区別。また、
とラインの数で音声の長さを視覚的に強調する方法も可能。
②音素に続く声調記号がこれを伴う場合には、その声調が長いことを表示
(01): 点で左右が断ち切れているイメージ;
(表音では常に単独のみで使用)
②音節と音節の間に配置して、1音ずつとぎれさせ、スタッカート化する機能
②2つ以上の連続で、音声が断たれた間(ま)を表示。この連続記号数に応じて間(ま)の長さを表示。
(11): 文字の流れを食い止めている形
で、ストップをイメージ;
①破裂音に重ね、その子音の発音器官での音声閉鎖を表示
①これ一文字で声門を閉鎖して声を漏らさなない状態を表示。
(15): 二点(両眼・両耳)で捉えるイメージで「認識しやすい」ことを象徴;
①無声音の子音記号に重ねて、(聞き取りやすい)「有声音」に変化させる機能。
(06): 「否定」の#05
との対記号で、切り口から反転させたイメージから「逆」を象徴;
①発声の息の方向が正常とは「逆」、外気を内に取り込みながら重ねた相手の記号の音韻を発声する指示
;「内破音」を構成、いびき、しゃっくり、驚きの声などを記録できます。
* 声調記号とは、音声の高低の調子を表す記号のことです。中国語では重要な区別要素になっています。
(17): 上を指し、「高い」イメージ
①重ねた記号を「舌の根元を盛り上げて」発音させる機能
②単独で声調記号として、高平音を表示
(18): 下を指す形で「低い」イメージ
①重ねた記号を「舌の根元を下げくぼめて」発音させる機能
②単独で声調記号として、低平音を表示
(01), (03), (63), (64), (11)などと組み合わせると、ある程度のリズムや強弱の調子も合わせて表現できます。
(27): 端がダブって重なって見えるイメージから、前の記号と重ねる機能の象徴
①これと重ねた記号は、直前の記号が示す音韻と同時に組み込まれて発音することを表示。