地球語の試案 動詞符の「重ね文字」
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・述語の組み立て ・
D動詞 ・ E動詞
・受け身 ・だ・である
・ 状態 ・長い継続 ・過去と未来
・ これからするところ ・ついいましがたまで
・体験 ・また ・
否定 ・禁止 ・可能 ・
許可 ・意志 ・義務 ・
必要 ・要求
・一緒に~しよう ・
命令 ・強調 ・疑問 ・動詞の名詞化
動詞符に他の字母を重ねると、重ねた字母の意味を含む動詞符(場合によっては述語補助符と呼ぶべきかもしれません)を構成します。
重ね相手の字母は、
、
の両方に同様の変化を与えるので、主に
D動詞の例で進めます。
、
(
(47)との重ね動詞符):受け身
は、器の形で、何かを「受ける」イメージがあります。これが動詞符に重なると、動詞の表す状態を
受け身に変化させます。他からある状態を受けることを表すので、原形の動詞の場合とは立場が変わります。




:彼は私を見る。
(述語動詞の中の目は主語の彼のものです)




:私は彼に見られる。
(述語動詞の中の目は、
(by、~によって) に後続する彼のもので、
主語の私は述語動詞の影響を受ける存在です)
このように、
動詞では主語が
{前置符と「働き」を意味する字母の重ね文字}以下の語によって影響を受けます。この形では、動詞の作用の実際の主が
以下とわかっているので、上の文は、次のように短く書き換えることもできます。
…
これを用いると他動詞または使役動詞の受け身が構成されます。
E動詞の目的語(
に続く語)を主語として言い換える場合の受け身動詞を構成します。ふつうのE動詞の場合とは逆に、他からの働きかけによって動詞の意味する状態に「主語」がなります。働き掛ける存在の前には、前置符
を 置きます。
(
(54)との「重ね文字」):be
{gd,53},
{ge,53} (
との「重ね文字」):状態
{gd,35} (
(35)との「重ね文字」):永い、またはずっと長い継続
は、ずっと続いているイメージを与える字母です。
動詞符に重ねると「ずっと長期間に渡って」
の意味を動詞に添えます。客観的ではなく主観的な長さです。
、
がその時点で継続中というだけなのに対し、ずーっと長く(永く)と強調します。





:地球は太陽の周りを回り続けている。
(地球)、
(太陽)、
(周囲)







:彼女は私を2時間も待たせ続けている。

(待つ)、
(時間の長さの単位→
hour)
を動詞符に付けているため私にとっての2時間が「非常に」長く感じられていることが伝わります。
{gd,17}、
{gd,18}:動詞の過去形と未来形
{gd,21} (
との「重ね文字」):
be going to
(21) は、進行方向に向かうイメージを持ちます。
動詞符に重ねた場合には、
「(現時点ではまだ後続語の状態にはなっていないが、)これからそうなろう、
そうしようとしている」という意味に転じます。
:なろうとするところ、しようとしている(英語の
be going to に相当)




:
私はこれからそれを読むところだ。
{gd,22} (
との「重ね文字」)
(22)
は、元の方向を示す字母です。動詞符に重ねた場合には、
「(後続語が)元の状態だ」、つまり現時点では別の状況下にあるが、
「つい今し方までは後続語の状態だった」という意味で述語を構成します。
:さっきまで~だった、~していたところだった



:
彼はさっきまでここにいたんだ。(
: この場所に→ここに)
{gd,14} (
との「重ね文字」):体験
通じていることをイメージさせる字母
(14) を動詞符に重ねて、
その動詞の状態を主語が「(過去に)体験したことがある」の意味を加えます。
過去を示す字母は付いていませんが、主語が
通過した過去の体験であると示します。
:だったことがある、したことがある




:
私は(前に)彼を見たことがある。
{gd,27} (
との「重ね文字」):また~
(27)
は、特に内容が複数あることを示す場合に加える字母です。
これを動詞符に重ねると、その動詞の状態が前回に重ねて再び起きることを意味します。
:また~になる、また~する







:
あの彗星は一万年後にまた戻ってくる。
{03,13,34}(彗星)
{22,41}(もと方向に動く→戻る)
{gc,36,62}(時間的に後で)

(零が後ろに4個付く数字→1万…参照)
{36,48,70}(時間としての年)
{gd,05} (
との「重ね文字」):否定
(05) (「否定」を示す字母)を動詞符に重ねて、述語が示す状態を否定します。
:~にならない、~しない
:~ではない
:~な状態でない、~し
ていない



:
彼は私のチーフではない。
{gd,06} (
との「重ね文字」):禁止
(06)(「反対」を示す字母)を動詞符に重ねて、述語が示す状態を「禁止」します。
:~してはいけない




: あなたはそれを見てはいけない。
{gd,58} (
との「重ね文字」):can
(58)(「可能」を表す字母)を動詞符に重ねると、その動詞の内容が可能だとの表現になります。
:なれる、できる








:
彼女(
)は今日(
)歩く(
)ことができる。彼(
)が彼女を歩かせたんだ。
{gd,47,58}(
との「重ね文字」):許可
{47,58}
は「可能な状態」が「受け入れられている」、つまり「許可」を意味する基礎文字です。
一見
「足」
{47、61}に似ています。
の
のトップの位置が低いので区別できます。ご注意ください。
をさらに動詞符に重ねると、「(動詞の状態が)許可されている」の意味になりま
す。
受身形とは無関係なのでこれもご注意ください!
:なってもよい、してもよい
:させてもいい


:
あなたは去ってもよろしい。(
:
存在が退く→退却)






:
あなたはこれを彼に聞かせてもよろしいです。
{gd,68} (
との「重ね文字」):意思
(68)(「心」を表す字母)を動詞符に重ね、
「主語の意志でその状態になる」(「きっと」の
意味を加える)という意味で動詞を構成します。
:きっと~になりましょう、きっと~するつもりだ
:であろうと心している





:私は明日(
)きっと彼と会おう。(

:~と会う)


:彼は寛容であろうとつとめている。(
{07,47,68}:心の器が大きい)
「つもり」には絶対にと言い切れる自信のある場合もあれば、わからないができるだけという場合もあります。
前項の「可
能性」にも程度の差があります。その違いを表現するには、
確かさや程度の差を表す文字を動詞符の前
に修飾語として付けるといいでしょう。
未来形の動詞の場合も同じです。程度の表現には、
、
などがかかわります。
{gd,60} (
との「重ね文字」):義務
(60)
は、「真」または「貫く」のイメージを持ちます。
これを動詞符に重ねると、主語が動詞の状態
に「しなければならない」義務の意味を加えます。
:ならねばならない、せねばならない
:させねばならない



:私は彼と会わねばならない。





:私はその動物たちを食べさせなくてはならない。
(
{27,41,67}:動物の複数、
{47,67}:食べる、摂取する←命が受けとる)
{gd,{55,60}
(
との「重ね文字」):必要
{55,60}は、「必要」を表す基礎文字です。
これも動詞の前に置いて動詞を修飾させるか、または動詞符
に重ねて使い、
主語が「(動詞の内容)になる必要がある」、または「する必要がある」の意味の述語を構成します。
のみの場合よりも実務的なニュアンスになります。
{gd,55} (
との「重ね文字」):~したい
{gd,25} (
との「重ね文字」 ):参加
(25)
は、「参加」を意味する字母です。(
:加わる)
この字母と動詞符の「重ね文字」は、述語の状態になる
またはならせる仲間の一部として参加することを示しています。
(主語)も一緒に~する(なる)の意味で述語を構成します。
相手と共同で~しよう、~させよう、という場合にも、
を動詞符に重ねて用います。
(相手に働きかけるための「文頭表現」参照)
{gd,51} (
との「重ね文字」):強制
(51)
は、単独では「力」をイメージさせる字母です。
これを動詞符に重ねると、その動詞の状態に自然になったりしたりさせたりするのでなく、
動詞に強制的なプレッシャーがかかることを示します。
命令文の述語動詞には、この字母が付きます。(「命令の文頭表現」参照)
{gd,64} (
との「重ね文字」):強調
(64)
は、「ショック」「激」「急」などのイメージを伝える字母です。
これを動詞符に重ねると、特別力を込
めて動詞を強調します。
「やってないんじゃないか」と言われて「確かにやったよ」と力んで答える場合や、
「~でさえある」「…しさえする」など、話し手の述語に込める強調に用います。
感嘆文の述
語動詞に感嘆の因がある場合にも、この字母を用いると表現がより強められます。
(「感嘆の表現
」参照)



:私は絶対そうしません。




(
)
:ああ、なんて気持ちいい風なんだ!
(← 風(
)がわたしたち(
)を大変気持ちよく(
)させる!)
{gd,57} (
との「重ね文字」 )
(57)
は、疑問、分からない状態であることをイメージさせる字母です。
述語動詞が、そうかどうか分からないと表わしたい場合に、
を動詞符に重ねるか
または前に置きます。主語が分からないと思っているのではなく、
文章の語り手が述語動詞に関して確かでないことを表わしています。







:この動物は30年以上生きられるのかしら。
(
{41,67}:動物、
{gc,07,13}:~より以上に、
{36,48,70}:年間)
上の文は、誰かに質問している文ではありません。質問する場合には、質問符を文頭に加えます。
そ して質問文のうち疑問点が述語動詞の場合にのみ動詞符に
を重ねます。
(「質問の文頭表現」参照)







:ドクター、私は歩くことができますか?
(
{25,65,67}{
(命)のあつかいに参加する
(人)}
:医師)










:お父さん、これをお父さんが使ったんですか?
(
{17,20,67}命が自分より以前の世代の男性:父
(誰が使ったかでなく)使ったかどうかに質問の焦点があることを明らかにしています。
呼び掛けた相手が主語の場合は主語を省略してもかまいません。
(過去)
=
(~させたのか?)
、
(
との「重ね文字」):動詞の名詞化
動詞符に
(09)(こと・件を意味する)を重ねると、その動詞は~することの意味で名詞化します。
は、複雑な動詞符に重ねても形の上で他を邪魔することはありません。
時制その他の動詞符に伴う字
母が前に置かれている場合も、
その動詞を名詞化するときには動詞符に直接重ねます。

:読むこと{gd,09}{15,34,39}

:手伝い

:学習すること(
脳が受け入れる)

:教え指導すること



:彼によって教えられたこと
意外にわずかな記号から多様に動詞を区別して表現できることがお分かりいただけたでしょうか。
もっとこんな場合にも動詞符の「重ね文字」があったほうがいい、
あるいは、こんな場合にはつじつまが合わなくなるでは?
などがありましたら、ご意見をお寄せ下さい。
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