イメージを順序立てて論理的に伝達をする場合、どの言語も一定の法則性を持っていて「文法」と呼ばれています。地球語の「試案」では、主語・述語・修飾語・被修飾語などの 語順は、送り手の自由な選択にまかせます。文法は、骨組みをフレキシブルでシンプルに、けれども文字の重ねにより多様に展開できるよう工夫しました。
次は、文法の概要です。
2、段落毎に行をかえます。
3、語句:
連続文字は一語句(または文節)とみなし、語句と語句の間は半コマ空けます。
英語では主語述語がなければ文章とはみなしませんが、地球語では、
既成言語の文章に相当する内容を一語句(または文節)として取り扱う場合もあり、
返答などでは、必要な1文字にピリオドをつければ、それを文章とみなしもします。
地球語フォントEarth4には、半コマ空白もあり、これを分け目に入れて語句の境を示します。
視覚言語なので、空白を置くことで文全体のリズムや流れが見やすくなります。
空白の長さで次の文との関係を示すことも自由です。
5、文中の役目は文法記号で判断:
6にあげる5つの例外を除く字母と「重ね文字」は、単独では名詞または、なんらかの状態を示す文字です。
特に形容詞、副詞、動詞といった品詞の区別を文字自体はしません。
6、文法記号:
地球語では、6つの文法専用記号を使います。
そのほかに、字母の内からさらに5つの小形の記号を文法記号として用います。
これら5つの字母は、「重ね文字」の中ではそれぞれ固有のイメージをもつ表意文字として捉えますが、
単独のときは、固有のイメージには関係せず、文法記号としてのみ働きます。
文法専用記号
ga: 「重ね文字」の意味の受け取りかたをスウィッチさせます。
gb: 接続符。 前後を並列的につなぎます。
gc: 前置符。 後ろから前を修飾するように文の流れを変えます。
gd: 動詞符。 「主語がこれに続く文字の状態になる」という意味で動詞を構成します。
ge: 動詞符。 「主語が
に続く文字の表すものを
に続く文字の状態にする」
という意味で動詞を構成します。
* 動詞符は2つしか使いませんが、そのどちらかと意味を持つ字母を「重ね文字」にする、
修飾語をさらに前につけるなどの方法で時制や複雑な性質の動詞を区別します。
gf: 英語のハイフンに相当し、字母と字母の間に置い て左右をつなぎ、
一つの概念として捉えるよう指示する付属記号です。
重ね文字が複雑な場合や、文字の要素を初心者にも分かりやすくする場合に用います。
このハイフンのみは、他と重ねることはありません。
そのため、例外的にワクの4分の1幅で済ませています。
*以前は重ねを象徴したを 使っていましたが、2007年9月に更新しました。
Earth3の新Fontから後は、他の文字を入力後を打てば[space]キーを打たなくても
自動的に次に進むよう Jo Chen (ドイツ人)さんの協力で改良されました。
字母から転用する文法記号
32: (日
本語に似て)文章の終止符です。
01: 文や
文節の単純な区切り、途切れ、余韻を表し、
また、他に働きかけるための特別な文頭を構成するのに用います。
34: これ
に続く文字または文字群が主語であることを示します。
30: これ
に続く文字または文字群が動詞によって影響される対象であることを表示します。
31: これ
に続く文字または文字群が主語によって
動詞の状態に
実際にされる対象であることを表示します。それぞれについて詳しくは追って述べます。
8、主語の表示と省略
主語が文頭にある場合には何も付けませんが、文の途中や終わりに主語が置かれる場合には、
続く語句(または文節)が文中の主語であると示す記号34 を語頭に置きます。
(当然その前のコマは「空白」です)
また、会話の中で何が主語かが相手に明白な場合には、文中に必ずしも主語を必要としません。
命令や依頼などは、文頭で「受け手への命令または依頼」だと明白にし、述語のみ伝えます。
特別の文頭構造を持たない文章で主語がない場合、それは命令や依頼ではありません。
相手にとって了解状態なので主語を省いたふつうの叙述です。日本語と似ています。
省略は手話による伝達を簡素化になるので、地球語では簡潔表現を尊重し、非礼とはみなしません。
9、終止符
は、「単位」を示す字母です。「重ね文字」では、
たとえば (長
さに関連する字母)と重ねて
(長さの共通基準単位 = 「メートル」)のように用います。
字母のみの
は、文章の単位がそこで終わることを表し、
終止符の役目をします。後続する文章との間を1コマ空けます。(段落変更には行をかえます)
英語では、主語、述語が伴わなければ文章とは言いませんが、
地球語では日本語同様に一文字でもピリオドを後続させれば文章の役目をします。
ありがとう、ごめんなさいなど、一文字とピリオドで文とみなします。
11、文の途切れ
文章の途中で途切れを表す、または文を完結しないまま余韻を残してとぎれ終わる場合には、
2つ以上の
を続けて示します。この機能は表音文字の場合と同じで、
続ける数の多さが途切れの間の時間的心理的な長さにかかわります。
12、文頭記号
挨拶、質問、依頼、命令、感嘆など、ふつうの叙述と異なり、
対話の相手に直接働きかける表現には、すぐその働きかけの趣がわかるように、
文頭に を用いた疑問符、依頼符、命令符、感嘆符などを置きます。
これらの共通の文頭形式によって、互いに非礼でない簡潔な交流が進むよう図っています。
質問への返答も文化の差によってずれが生じないよう、手短かで明快な仕方を準備しました。
13、括弧
会話体や文中文を示す役、英語の関係代名詞に相当する役、
さまざまな内容を区別しながら略記する役など、多様にわかりやすく情報整理する
補助括弧
を用います。
また一時的に元の意味を抜き取って自由記号として字母や数字を使うための
「意味抜き括弧」
の備えもありま
す。