ここでは、呼び掛け・あいさつ・質問・依頼など、相手と交流を開き、働きかける仕方について述べます。
伝統言語では、このような場合の対応に慣れないよそ者は幼児扱いされることがよくあります。
「地球語」では、シンプルで判りやすく、間違いなく伝わり、互いに非礼としない共通の表現を準備しました。*工事にきた中国人たちに英語で'You bring Pen, OK?' というような頼みかたをされることがあります。
誰にもわかりやすいのは、まず先に文頭で「これからあなたに働きかけて反応を期待してますよ」という合図を相手に送り、
ずいぶん偉そうに命令するなぁと、つい感じます。けれど考えてみると、日本人は丁寧語に敏感ですが、
合理的な中国語の文法では、これがふつうの頼みかたなのかもしれません。彼らの考え方の中に
If you could...?, Could you...? と、持って回る発想を取り入れるのは難しいことなのかもしれません。
日本人でも'Please bring a pen' で、丁寧に頼んだつもりの人もいます。
伝統言語のルールは一筋縄では捉えられません。互いの習慣を知らないために摩擦を起こすのは
馬鹿げていますが、それが日常的に起きているのが現実です。
共通に非礼でなく簡潔に働きかけられることは、仲介言語には大切だと思います。
それから内容を伝える方法でしょう。記号の読み手に心構えをまず与えることができます。
手話会話ではなおさらこれが有効に働きます。
「試案」では、働きかける種類を示す文字を二つので挟んで文頭に置く方法を採りました。
一点に注意を集める意味でこの字母を使用し、働きかけの種類が目立つように、また、
区切りや途切れの点と間違わないよう に点と点で文字を挟みます。
各目的に分けて例を上げてみましょう。
呼びかけの時点で相手が気付けば、続く文章の中の、呼び掛けた相手と同じ主語(上の文では「あなた」)は省略してもかまいません。
主語を略して述語だけ述べても、依頼符や命令符を伴って
いなければ依頼や命令文にはなりません。
普通文に必ず主語を持つ文化圏の人々は省略しない方が気持ちいいかもしれません。
互いに枠内で自由に表現しながら習慣の違いを感じ合うことも大切です。
文頭に質問符がなければ、疑問符が文中にあっても、他への質問ではありません。
次は、主語について尋ねる質問例です。
(主語を質問符+呼び掛け相手の直後よりも後に置く場合には、
(主語標識)を前に付けます。)
: 彼女はいるかい?(いるかどうかを尋ねています)
: 彼女はどうしてる?(現在の状態を尋ねています)
これら2つは、述語動詞について尋ねています。
: あなた(
)は何の花が好きですか?
: あなたはどの花が好きですか?
{30(指示),57}: 限ら
れた中から選ぶ疑問詞「どれ、どちら」
{66,68}:(花)*
{25,39,68}:(心・感覚がプラスに働く→好き)
これら2文では、述語の対象について問われていることがわかります。
誰かに質問するわけではなくても「彼女がそこに居たのかなぁ?」「なんでかな?」
などと自問しながらその疑問を周囲と分かちたい会話もあります。
このような場合にも疑問符と、間の連続点を使います。
![]()
:彼女がそこに居たのかなぁ?
:なんでだろ?(原因がわからない)
英語では"I wonder why ~"と、主語・述語を備えた文章で表現しますが、
そこにいる人が状況を共有してる場合には、日本語と同様地球語でも
「なんで?」だけで文章とします。
:
これ()を読んで(
)その内容(
)を私(
)に理解させて(
)ください。
...
: 丁寧なお願いの文頭と末尾
#68(心)と#55(求め)の重ね文字
{55,68} は、願いを意味します。
を文頭に立て、本文を続け、末尾を
で終えます。
「しかじかのお願いがありますが、お引き受け願えないでしょうか?」の意味の丁寧なお願いです。
逆に権威や力で有無を言わさず要求を押し付けるとき、また緊急事態の対処として強制・命令するとき、
「命令」を表す文字を点ではさんだ
を文頭に立てます。
(命令)は、#55(要求)と#51(力)の重ね文字です。
そして強制を強めるには、動詞符にも#51
を重ねて「…しろ」と圧力をかけます。
強引に誘わず、相手の意向も尊重しながら提案する場合には、丁寧な依頼文と同じ末尾で文を終えます。
:この道通って行くのはどう?
表意文字だけで感激や驚きの感じを文中に出したい場合や、すぐ近くにいる相手に感激や驚きをあえて理性的に
訴えたい場合には、手話などで「
感嘆符」または「びっくり符」をため息や悲鳴の代わりに示します。
「感嘆符」は、{
68(心)が41(動く)}の「重ね文字」を点で挟み、
「びっくり符」は、{心がが42(波(立つ)}の「重ね文字」を点で挟んで示します。
何に心動いたかを述べる必要があれば、これらの符を文頭に立ててから、強調したい内容から先に文を続けます。
動揺しているので、完全な文章を構成する必要はありません。
びっくりの度合がひどくて仰天した場合には、にさらに「衝撃的」の意味を持つ字母
を重ねます。
:
おやまあ、こんな所で彼女をお見かけするなんて
…
(こんな場所で)が意外だったために文の先に立っています。
これには前置符が付いているので、すぐ後ろの主語ではなく述語を修飾していると分かります。