地球語とは

「地球語」とは？

「地球語」は、地球社会の活気ある持続を目的に、思考と伝達を助ける共通の補助手段です。

ヒトは、言語で考えます。原始以来、ヒトは文化とともにことばを育て、ことばによって思考してきました。風土と体験が生む文化は、世界中で多種多様。伝統的思考の中心軸の位置・向き・性格がまちまちです。伝統の根深さゆえ、それぞれの中軸を他に譲れず、争い戦いを繰り返しています。

もし、みなが思考軸を二つ持てばどうでしょうか？

各伝統文化の軸と、宇宙の秩序に基づく共通軸。この二軸をもつ「楕円思考」が普及すれば、ローカル性や個性の軸を保ったまま、共通軸によって皆が対等につながり、多様性を認め合う寛容な世界が開けるのではないでしょうか？

ヒトは、両手両足でバランスをとって生き抜いてきました。思考においても複数軸をもてば、自身を安定させ、全体社会も調和に向かうのではないでしょうか？

地球語は、「楕円思考」の第二軸となる補助言語のための具体案です。

地球語と伝統言語の違い

地球語に望まれるのは、伝統言語では叶わない伝達要素を共通に補うことです。だから、かつて試みられた人工言語のように伝統言語の一つと同じしくみでは意味がありません。地球語には、次の３項目が望まれます。

１　異文化間を仲介する客観的な基準尺として働く

基準尺としては、くるくる変わっては困ります。
私たちの宇宙は、見える見えないにかかわらず、不変要素で成り立っています。
宇宙は絶えず変化していますが、その変化は、不変要素のつながり方の違いによって起きています。

地球語のしくみは、この宇宙（地球自然）に習います。ヒトにとって普遍不変の要素を記号化し、それらのつなぎ変えによって森羅万象をどこまでも捉え続けます。

音声のことばは発声した途端に消え、視覚的な「形」は永く保たれます。
音声記号と文化を基盤とする伝統言語に対し、地球語のしくみは、視覚記号の「形」（文字）と地球自然の秩序に基盤を置くことによって普遍不変性を保ちます。

２　地球語が普及しても伝統ことばを壊さず、共に育ちながら共存する

地球語の記号には１音節の呼び名があり、その発音によって記号を伝えることもできます。
ですが、記号の内容を直接母語で読めば、母語の延長として使えます。
そして地球語が普及しても母語を失う心配はありません。

地球語案の基礎記号は、各意味が持つエネルギーの在り方を示す単純な形か、または象形文字です。

　上の基礎記号を重ねてできる象形文字の例

太陽、顔、笑い、スマイルの違いがわかりますか？木、草、花に共通に入っている形は「植物」の象形記号です。
（イラスト字典内に象形文字とその応用文字の例がいろいろあります。）

このように単純な絵のような基礎文字は、幼児が母語を憶えるのを手伝えます。
世界の子供たちが同じ形の体験記憶をもてば、それは、民族の壁に開いた懐かしい小さな窓です。
成長した彼らは、手をとって地球語をさらに充実させたくなるかもしれません。

３　伝統言語では及ばない新機能で伝達を補助する

3-1　情報整理能力

現状では、情報量と語彙の過度な増大が、世界の全体像や関係性を反って見えにくくしています。

自然を見習う構造の地球語案では、文字自体が意味要素のつながりを示し、情報整理しながら発展します。
表現の合理的な短縮化や、一般文字と区別したロゴ・暗号などの特殊記号を、個人的に作成する備えもあります。
（表意のしくみへ）

3－2　科学的な発音表記

現在どの伝統言語も全人類的な表音を満足にできません。
そのため固有名詞さえ異文化間で伝わりにくいことがあります。

地球語の記号は、ふつう表意目的に使いますが、伝達には名前などの音声の表記も必要です。

そこで、表意記号の一部を発音記号に転じ、国際表音記号以上の音声をわかりやすく区別する表音のしくみも備えます。音声も要素の重ねで表現できるので、表音記号数は全部で50記号のみです。

このしくみは、固有名詞の発音のオリジナル化や、外国語の発音指導に役立ち、また、音声アートの創造も助けます。

3－3　身体能力や環境の違いに応じ、伝達方法を多様に切り替えられる

現行の手話や点字は国ごとに異なります。ことばを学んでも、その手話や点字はさらに別に学ばねば使えません。

重ねることを想定して造られた地球語基礎記号の形は、とてもシンプル。
だから地球語の基礎知識さえあれば、手または全身を基礎記号の形にする、相手の手のひらに記号を書いて触覚に伝える、記号の呼び名を発音する、フォントの番号やアスキーで伝えるなど、咄嗟の状況に合う手段を選んで伝達できます。

「こんにちわ」の手話：

（グローバルな・均衡が・ずっと続く）の意味の基礎記号の組み合わせを手の形と動きで表現

いつどこで何が起きても意思疎通できる世界を、地球語は招こうとしています。

3－4　創造性の刺激

創造は、不変要素の新しい組み合わせで生まれます。地球語の記号を重ねるしくみは、新しい概念を呼び起こし、思わぬ創造につなぐ可能性をもちます。

また、コンパクトな表現や象形文字は、地図への書き込みやブレインマップをすっきりと見やすくし、国際間の共同作業や広告の力を挙げます。

地球語の世界的な流通には時を要しますが、共同で育て交流するうちに、文化の軸の違いに気づき、互いに尊重し合って理解へと進めるのではないでしょうか？

　：象形文字による絵画的な表現の例

2021年6月更新
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